埼玉熊谷相続遺言相談センター
代表者 内田三好行政書士
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遺産分割協議書作成

 

遺産分割は、遺産を現実に共同相続人の間に分配する手続きです。
遺産分割の話し合いは、通常四十九日法要が終了し、忌明けを迎えてから行うことが一般的とされています。亡くなられた直後に、遺産分割についての話を持ち出すと不謹慎だと思われますし、遺産分割の話し合いの妨げになる可能性もあるため注意が必要です。
協議 (話し合い)分割の場合は、原則として、相続人全員の同意があれば、 遺言と異なる遺産分割も可能です。ただ、遺言執行者が指定されている場合には、同人の同意を得ておくべきです。 どの相続人が、どの相続財産を、どれくらい相続するのか、協議した上、 協議がまとまれば遺産分割協議書を作成します。
「譲り合いといさぎよさ」 これが円満な遺産分割のコツです。

  • (1) 遺産分割の方法
    具体的方法として3つあります。
    • ① 現物分割
      • 個々の財産を誰が取得するのか決める方法です。
      • 例えば、「土地・建物は長男が取得する。株券は二男が取得する。預金は長女が取得する」という方法です。
      • この現物分割によると、各相続人の取得分を相続分どおりにすることは困難であり、次の代償分割が併せて行われることがよくあります。
    • ② 代償分割
      • 共同相続人のある者に現物を取得させる代わりに、その相続分を超える取得分について、他の共同相続人に対し金銭などを与える方法です。
      • 例えば、「長男が農地を取得し、その代わりに、長男が二男に代償金(500万円)を支払う」という方法です。農地を細分化しては経営が成り立ちません。そこで、長男が農業経営を続けられるように代償分割によるわけです。
    • ③ 換価分割
      • 遺産を売却してその代金を相続人間で相続分に応じて分ける方法です。
      • 現物分割をすると価額が減損してしまう場合、相続人全員が現物取得を希望しない場合などには、換価分割によることになります。
      • この換価分割の場合は、売却費用や譲渡所得税等を考慮する必要があります。
  • (2) 不動産は単独での所有が一番
    • ① 不動産を相続する場合は、不動産ごとに単独で所有されることをお勧めします。1筆(棟)の不動産を2人以上で「共有」している状態は、不動産の利用価値を大きく損ねます。換金性、流動性、収益性などあらゆる局面で障害が発生します。共有という所有形態は、他の共有者の同意を得られなければ「塩漬け」の不動産ともなりかねない状況です。
    • ② 共有状態の短所

      ⅰ 共有物の変更、処分には、他の共有者全員の同意が必要です。
      • 不動産の処分や変更行為の例としては、売買、建物の大規模改修や建て替えが該当します。
      ⅱ 共有物の管理は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決めます。
      • 例えば、共有の不動産を誰が使用するかについても、各共有者の持分の価格に従って、その過半数で決めることになります。
      ⅲ 共有者が増えていきます。
      • 換金性、流動性、収益性で障害があるので、共有状態で放置されがちです。そのうちに共有者に相続が発生してしまい、更に共有者が増えてしまい、ますます同意が得られにくくなります。時間が経過すればするほど処分や利用がしにくくなってしまいます。
      • 例えば、父から相続した土地を、配偶者である母、子2人で共有するとします。この場合、民法の法定相続分で算出した持分は母4分の2、子はそれぞれ4分の1となります。 子のそれぞれが家庭を持ち、配偶者と子が2人ずついるとします。子が亡くなり、また民法の法定相続分で持分を算出すると、4分の1の持分から最大3人の共有者が新たに生じることになります。 このように共有者が増え続けることになる可能性があります。
      ⅳ 「物納」ができない可能性が高い。
      • 現金がない場合は、相続税納税のために不動産を「物納」することが考えられます。勘違いされやすいのですが、物納は必ずできるわけではありません。それなりに価値がないと国に受け取ってもらえないのです。共有状態の不動産は、「管理処分不適格財産」とされ、物納ができない可能性が高いです。
    • ③ 不動産は単独所有が一番です。
      • 共有にすることは何も解決したことにならないと言えるでしょう。問題を先送りにするだけではなく、さらに状況を悪化させることになりかねません。

      • 持分では処分はまずできません。持分を買う他人は普通いないからです。また、兄弟の共有物を単独所有にする場合、持分を引き取って欲しいという際に兄弟喧嘩の元になります。一番の問題は、問題を先送りにする間に相続が発生して、より状況が複雑化することです。

      • 兄弟間で、長男が将来単独で所有することに合意しているというケースは少なくありません。しかし、弟が亡くなるとその子は、もらえる財産はもらうということになりかねません。弟が亡くならないにしても、家庭の事情や奥さんの影響などで気が変わるということは往々にしてあります。
      • 不動産の共有は、最終的にはお金で解決するしかなくなる可能性があります。親族間でのお金のやり取りほど感情的にもめるものはありません。
  • (3) 遺産分割協議書には決まった書式はありませんが、いくつか注意点があります。
    • ① 相続人全員で作成すること
      • 相続人全員が集まって一度の機会に書面を作成、署名・捺印をする方法でも、 誰かが予め案を作り持ち回りで他の相続人がそれに署名・捺印する方法のいずれでも、 相続人全員が記載内容を承認して署名・捺印すれば、遺産分割協議は成立します。

    • ② 住所は正確に書くこと

      • 住所の記載は、印鑑証明書に記載されている住所を正確に記載します。

    • ③ 相続人全員が、署名と実印による押印をすること
      • 印鑑は必ず実印を使います。実印を使わなければ、不動産登記や銀行の手続きができません。

      • なお、厳密にいえば、署名ではなく記名でもよいのですが、後日のトラブルを防ぐためにも署名をしてください。

    • ④ 印鑑証明書の添付

      • 遺産分割協議書には、実印の押印が必要ですが、実印は印鑑証明書と
        一体となって初めて実印としての意味を持ちますので、印鑑証明書を
        添付します。

    • ⑤ 相続財産の表示方法に注意
      相続財産を正確に特定しないと、財産を取得できません。不動産や預 貯金等の表記方法には注意が必要です。
      • 不動産は登記簿謄本の記載どおりに書きます。
         土地……所在、地番、地目、地積
         建物……所在、家屋番号、種類、構造、床面積
      • 預金は、金融機関名(銀行名、支店名)、預金種類、口座番号
    • ⑥ 契印(割り印)
      • 遺産分割協議書が用紙数枚にわたる場合、相続人全員の実印で割り印します。

  • (4) 遺産分割の調停・審判
    遺産分割に際しては、共同相続人間の話し合いにより解決するのが原則です。
    しかしながら、各相続人の意見が調整できなかったり、あるいは特定の相続人が全く話し合いに応じてくれず、遺産分割協議が行えないことがあります。
    このように、当事者同士で話し合いをしても遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に調停を申し立て、調停手続きの中で遺産分割について話し合いを行うことになります。
    調停手続きの中で合意ができれば調停が成立し、その時点で遺産分割協議は終わります。もし合意ができなかった場合には調停は不調となり、審判に移行することになります。
    • ① 遺産分割の調停
      • 遺産分割の調停は、相続人の1人または数人が、残る全員を相手方として申し立てます。調停を申し立てて、解決までに1年以上かかることも珍しくありません。
      • 調停手続きは、第三者である調停委員が当事者(申立人・相手方)の話し合いの仲介に入ってくれる手続きです。原則として当事者が出席しなければなりませんが、当事者の待合室は別々で、それぞれの主張も別々に聞いてもらえます。

      • 調停委員は、当事者の間に入って調整のための便宜を図ってくれ、遺産分割協議が円満に行われ、また妥当な結論となるように話し合いの方向性を示したり、アドバイスを行ってくれます。

      • 調停の中で合意が成立すると、その合意内容を記載した調停調書が作成されます。調停調書には確定判決と同じ効力があり、この調書に基づいて遺産の分割(遺産の名義変更)が実行されることになります。
    • ② 遺産分割の審判

      • 調停で話し合いがまとまらない場合には調停は不調となり、審判手続きに移行します。

      • 審判の手続きは、訴訟手続きに近い形で行われます。必要に応じて事実関係を審判官が尋ねることもあります。審判では審判官が、相続財産の種類や性質、各相続人の生活事情等を考慮した上で、相続分に応じた妥当な分割方法を定め、審判を下します。その内容にしたがって遺産の分割を行うことになります。

      • 審判の内容に不服がある場合には、2週間以内に高等裁判所に対し即時抗告の申立てを行うことができます。
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