遺言事項

遺言は遺言者の死亡によって効力を生じ、これにより遺言の内容に従っ    た法律関係が生じることになりますが、 このような法的効力が生じるのは、以下の事項に限られ、これら以外の事項について遺言で定められたとしても、それは遺訓・遺戒といった道 義的意味しか持ちません。
  • 相続に関する遺言事項
    • 相続人の廃除・廃除の取消し
      被相続人に対して虐待をしたり重大な侮辱を加えたり著しい非行があったとき、推定相続人の廃除をすることができます。なお、被相続人はいったんなした推定相続人の廃除を取り消すこともできます。
    • 相続分の指定・指定の委託
      相続人が数人あるとき、相続分を定め、あるいは第三者に委託することができます

    • 遺産分割方法の指定・指定の委託
      遺産分割の方法とは、①現物分割、②代償分割、③換価分割などをいいます。第三者に委託することもできます。
    • 遺産分割の禁止
      相続開始の時から5年を超えない期間なら、分割を禁止することができます。
    • 特別受益の持戻しの免除
      遺言で、例えば「ただし、遺言者は長女に対し、独立のための生計の資本として金○○万円を贈与してあるところ、同人の努力にもかかわらず営業不振の状態にあることを考え、相続分の算定に当たっては、右贈与はなかったものとして(相続財産に持戻しをしないで)算定すべきものとする」と記載すると、遺留分に関する規定に反しない範囲内で効力があります。
    • 相続人間の担保責任の定め
      遺産分割によって取得した財産に瑕疵(かし)がある場合、共同相続人はその公平を目的として民法911条以下に定める担保責任を負うべきものとされていますが、遺言で別段の定めをすることができます。
    • 遺贈
      遺言者の財産のうち、何を誰に相続させる(あるいは遺贈する)かということです。
    • 遺贈の減殺の方法
      遺留分減殺の方法について、民法1034条と異なる方法を遺言で指定することができます。例えば、「遺言者東山太郎は、その所有財産のうち、下記財産を妻東山春子に相続させる。もし、長男東山一郎から遺留分減殺請求があったときは、妻が相続すべき財産についてだけ減殺するものとする」などです。
    • 一般財団法人の設立

      財団法人を設立する旨の遺言も作成できます。

    • 信託の設定
  • 遺言の執行に関する遺言事項
    • 遺言執行者の指定・指定の委託
      遺言の内容を実現させるために、必要な行為をする権限を持つ者を遺言執行者といい、遺言で指定することができます。
  • 身分に関する遺言事項
    • 子の認知
      法律上の婚姻関係のない男女の間に生まれた子とその父または母との間に親子関係を生じさせることです。認知があれば、法定相続人の地位を取得します。胎児を認知する遺言もできます。
    • 未成年後見人・未成年後見監督人の指定
      未成年者を監護養育し、財産を管理する者を後見人といい、後見人を監督するのが後見監督人です。
  • その他の遺言事項
    • 祭祀主宰者の指定
      墓などを承継する者を指定することができます。
    • 生命保険金の受取人の変更
    • 遺言の撤回
       遺言で、従前作成した遺言の一部または全部を撤回することができます。