埼玉熊谷相続遺言相談センター
代表者 内田三好行政書士
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相続遺言 判例集(最高裁判例)

相続開始前の相続権

推定相続人は、将来相続開始の際、被相続人の権利義務を包括的に承継すべき期待権を有するだけで、現在においては、いまだ当然には被相続人の個々の財産に対し権利を有するものではない。(昭和30年12月26日判決)

相続回復請求権の消滅時効の援用権者

共同相続人のうちの一人または数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分について、当該部分の真正共同相続人の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続権を侵害している場合につき、民法884条(相続回復請求権)の適用を特に否定すべき理由はないが、共同相続人のうち一人若しくは数人が自ら相続人でないことを知っているかまたはその者に相続権があると信ぜられるべき合理的な事由なしに自ら相続人と称している場合には、その者は、相続回復請求制度の対象とされる者ではなく、消滅時効を援用することができない。(昭和53年12月20日判決)

相続欠格者に当たらないとされた例

遺言書の破棄隠匿が、相続に関する不当な利益を目的としない場合は、相続欠格事由に当たらない。(平成9年1月28日判決)

生命侵害による慰謝料請求権の相続

不法行為による慰謝料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなくても、当然に相続される。(昭和42年11月1日判決)

生命保険金請求権の相続

(傷害保険の)被保険者死亡の場合、保険金受取人の指定のないときは、保険金を被保険者の相続人に支払う旨の保険約款は、特段の事情のない限り、被保険者の相続人を保険金受取人に指定した場合と同様であり、保険金請求権は保険契約の効力発生と同時に相続人の固有財産となり、被保険者の遺産から離脱したものと解すべきである。(昭和48年6月29日判決)

公営住宅を使用する権利の相続

住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で住宅を賃貸することを目的とする公営住宅法の趣旨にかんがみれば、入居者が死亡した場合にその相続人が公営住宅を使用する権利を当然に取得すると解する余地はない。(平成2年10月18日判決)

共同相続と登記

相続財産に属する不動産につき遺産の分割前に単独所有権移転の登記をした共同相続人中のある者及びその者から移転の登記を受けた第三取得者に対し、他の共同相続人は自己の持分を登記なくして対抗し得る。(昭和38年2月22日判決)

遺産である賃貸不動産から生じる賃料債権

遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、後にされた遺産分割の影響を受けない。(平成17年9月8日判決)

遺産の管理

共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物に被相続人と同居してきた場合は、特段の事情のない限り、被相続人死亡時から少なくとも遺産分割終了までの間は、被相続人の地位を承継した他の相続人を貸主、同居相続人を借主とする建物の使用貸借契約が存続する。(平成8年12月17日判決)

連帯債務の相続

連帯債務者の一人が死亡し、その相続人が数人ある場合に、相続人らは被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自その承継した範囲において、本来の債務者と共に連帯債務者となる。(昭和34年6月19日判決)

遺産分割前の相続人の権利

相続人は、遺産分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払いを求めることはできない。(平成4年4月10日判決)

遺産分割前に死亡した相続人が遺産に対して有していた権利の性質

甲が死亡してその相続が開始し、次いで、甲の遺産分割が未了の間に甲の相続人である乙が死亡してその相続が開始した場合、乙は、甲の相続の開始と同時に、甲の遺産について相続分に応じた共有持分権を取得しており、これは乙の遺産を構成するものであるから、これを乙の共同相続人に分属させるには、遺産分割手続を経る必要があり、共同相続人の中に乙から特別受益に当たる贈与を受けた者があるときは、その持戻しをして各共同相続人の具体的相続分を算定しなければならない。(平成17年10月11日決定)

 

遺産分割協議の法定解除

共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合に、相続人の一人がその協議において負担した債務を履行しないときであっても、その債権を有する相続人は、民法541条(履行遅滞等による解除権)によってその協議を解除することができない。(平成元年2月9日判決)

遺産分割協議の合意解除

共同相続人は、すでに成立している遺産分割協議につき、その全部または一部を全員の合意により解除した上、改めて分割協議を成立させることができる。(平成2年9月27日判決)

特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言

特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるかまたは遺贈と解すべき特段の事情のない限り、当該遺産を当該相続人をして単独で相続させる遺産分割の方法が指定されたものと解すべきである。(平成3年4月19日判決)

「相続させる」ものとされた推定相続人の死亡

「相続させる」旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはない。(平成23年2月22日判決)

遺産分割と登記

相続財産中の不動産につき、遺産分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗することができない。(昭和46年1月26日判決)

民法915条(相続の承認または放棄をすべき期間)の「自己のために相続の開始があったことを知った時」の意義

被相続人に相続財産が全く存在しないと信ずるにつき相当な理由があると認められるときには、民法915条の熟慮期間(3ケ月の期間)は、相続財産の全部または一部の存在を認識した時または通常これを認識し得べき時から起算する。(昭和59年4月27日判決)

再転相続人の相続放棄

甲の相続につきその相続人である乙が承認または放棄をしないで死亡した場合、乙の相続人である丙が乙の相続につき放棄をしていないときは、甲の相続につき放棄をすることができ、また、その後に丙が乙の相続につき放棄しても、丙が先に再転相続人たる地位に基づいて甲の相続につきした放棄の効力がさかのぼって無効になることはない。(昭和63年6月21日判決)

相続放棄の効力

相続の放棄の効力は絶対的であり、何人に対しても、登記等の有無を問わず、その効力を生ずる。(昭和42年1月20日判決)

遺言の解釈

遺言の解釈に当たっては、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探求すべきものであり、遺言書が多数の条項からなる場合にそのうちの特定の条項を解釈するに当たっても、単に遺言書の中から当該条項のみを他から切り離して抽出しその文言を形式的に解釈するだけでは十分ではなく、遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して遺言者の真意を探求し当該条項の趣旨を確定すべきである。(昭和58年3月18日判決)

自筆証書遺言の自書

遺言の全文、日付及び氏名をカーボン紙を用いて複写の方法で記載することも、自書の方法として許されないものではない。(平成5年10月19日判決)

自筆証書遺言の押印

遺言書の本文の自署名下に押印がなかったが、これを入れた封筒の封じ目にされた押印があれば、押印の要件に欠けるところはない。(平成6年6月24日判決)

斜線が引かれた遺言書の効力

遺言書の全体に斜線を引くことは、遺言の破棄に当たり無効となる。(平成27年11月20日判決)

遺言の効力発生時期

遺贈は遺言者の死亡によって初めて効果を発生するものであり、その生前には何ら法律関係を発生せしめることはなく、受遺者は将来遺贈の目的物たる権利を取得することの期待権すら持たない。(昭和31年10月4日判決)

遺贈による権利移転の対抗力

不動産の遺贈を受けた者はその旨の所有権移転登記を経由しないと第三者に対抗できない。(昭和39年3月6日判決)

遺言執行者と受遺者との関係

受遺者は、遺言執行者がある場合でも、所有権に基づく妨害排除として、遺贈の目的物たる不動産について、相続人または第三者のためにされた無効な登記の抹消登記手続を求めることができる。(昭和62年4月23日判決)

「相続させる」旨の遺言と遺言執行者の権限

特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる趣旨の遺言がされた場合において、他の相続人が当該不動産につき自己名義の所有権移転登記を経由したため、遺言の実現が妨害される状態が出現したような場合には、遺言執行者は、遺言執行の一環として、当該所有権移転登記の抹消登記手続のほか、甲への真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めることもできる。(平成11年12月16日判決)

債務が存する場合の遺留分侵害額の算定

遺留分の侵害額は、遺留分額から、遺留分権利者が相続によって得た財産額を控除し、その者の負担する相続債務額を加算して算定する。(平成8年11月26日判決)