埼玉熊谷相続遺言相談センター
代表者 内田三好行政書士
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FAX:048-501-8827
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出張相談も承ります

成年後見・財産管理

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などによって、判断能力が不十分な方(本人)について、本人の権利を守る援助者(成年後見人 等)を選ぶことによって、本人を法律的に支援する制度です。成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。

法定後見制度について
法定後見制度は、各人の多様な判断能力及び保護の必要に応じた柔軟で 弾力的な保護を可能とするため、後見、保佐、補助の3つの類型を定め ています。

  • (1)後見制度
    本人が自己の財産を管理・処分することができない程度に判断能力が常に欠けている場合です。判断能力が不十分なために、自分で、売買等の法律行為の利害得失を判断することも、実際に法律行為を行うことも困難な人ということになります。かつての禁治産に相当します。保護のために成年後見人が選任され、成年後見人には全面的な代理権が付与されます。また、成年後見人は「日用品の購入その他日常生活に関する行為」を除いて、法律行為についての取消権を有しています。
  • (2)保佐制度
    本人が自己の財産を管理・処分するには常に援助を必要とする程度の判断能力しか有しない場合です。不動産の売買等の重要な法律行為には常に援助が必要な場合であり、かつての準禁治産に相当します。保護のために保佐人が選任され、保佐人には、金銭の借入れをする場合、保証人となる場合、不動産の売買をする場合、裁判をする場合、相続の承認や放棄をする場合等、法律で定める一定の行為について、同意権や取消権が与えられています。そして、審判により、保佐人に、上記の行為以外についても同意権及び取消権を与えることができます。また、申立ての範囲内で審判で定める特定の法律行為について代理権を与えることもできます。
  • (3)補助制度
    本人が、判断能力が不十分であるものの後見や保佐の対象となる程度に至っていない比較的軽度な認知症や精神上の障害を有する者が対象となります。この制度は、現在の成年後見制度で新設され、不動産の処分等の重要な法律行為も、本人が行うことも可能ですが、本人のためには誰かからアドバイスを受けたほうがよい場合と言えます。保護のために補助人が選任され、金銭の借入れをする場合、保証人となる場合、不動産の売買をする場合、裁判をする場合、相続の承認や放棄をする場合等、法律で定める一定の行為のうち、申立ての範囲内で審判で定める特定の法律行為について、補助人に、同意権及び取消権が与えられます。また、申立ての範囲内で審判で定める特定の法律行為について代理権を与えることもできます。

任意後見(契約)制度について

    (1)任意後見契約とは
  • 任意後見契約とは、本人が、契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自分の判断能力が不十分になったときに、自分の生活、財産の管理及び療養看護に関する事務の全部または一部を任意後見人に委託する契約です。自分のことは自分で決めると考えておられる方、用意周到な方にお勧めです。
  • 具体的には、本人の預金の管理、不動産その他の重要な財産の処分(売買契約だけではなく賃貸借契約も含まれます。)または遺産分割等の財産の管理に関する法律行為のほかに、施設入所契約やその他の介護サービスの提供を受けるために必要な契約など療養看護に関する法律行為についての事務を委託するものです。
  • 契約締結の際には、本人が任意後見人に委託する内容を理解していることが必要になりますし、任意後見監督人が家庭裁判所により選任されたときから契約の効力が生じることになります。任意後見契約は、財産管理委任契約の場合とは異なり、公証人の作成する公正証書により締結しなければなりません。
    (2)任意後見契約の利点
  • 本人の意思で、信頼できる人に任意後見人を依頼できます。
  • 家庭裁判所が選任した任意後見監督人が、任意後見人の事務処理が適正に行われているか否かをチェックしますので安心です。
  • 任意後見人が預金通帳や印鑑など大事なものを本人に代わって保管するので紛失の恐れがなく、また悪徳商法などから大切な財産を守ることができます。
  • 医療費や介護費用が必要になったとき、任意後見人が本人に代わって預金の解約・払戻しが行なえるので、必要なお金をすみやかに用意することができます。
  • 判断能力が正常なうちに任意後見契約の内容を決めることができるため、判断能力低下後も、本人が希望する生活を送ることができます。
  • 任意後見契約の内容が登記されるので、任意後見人は円滑に本人のために代理人としての事務処理を行うことができます。
    (3)任意後見契約の欠点(及びその対応策)
  • 任意後見人には固有の取消権は認められていませんので、本人が財産を処分したり、悪徳商法などの不利益な契約を締結してしまった場合には対応できません。
    【対策】任意後見契約の代理権目録に予め「物品の購入(契約の変更、解除を含む)」などと記載しておけば、任意後見人が詐欺取消や錯誤無効、クーリングオフ等の主張をすることが可能となります。
  • 任意後見制度は、身体障害等判断能力に問題がない場合は利用できません。
    【対策】財産管理委任契約との併用が考えられます。

  • 任意後見人受任者が同居の親族でない場合には、本人の判断能力が減退したかどうかの把握が不十分になる可能性があります。
    【対策】任意後見契約と一緒に財産管理委任契約を締結することで解決できます。

  • 任意後見人と任意後見監督人の報酬を支払う必要があります。
    ちなみに、親族が任意後見人を引き受けた場合は無報酬とするのがほとんどです。

(4)任意後見契約の三つの利用形態
① 「将来型」任意後見契約
契約を締結する時点では本人の判断能力には問題がないものの、将来判断能力が低下したときのことを想定して、判断能力が低下した時点で初めて任意後見人による保護を受けようとするもので、本来の任意後見契約の形です。

② 「移行型」任意後見契約
現時点では本人の判断能力には問題がないものの、身体的な機能の衰えや病気や障害等を抱えているので日常の財産管理事務等に支障があるため、契約締結時から受任者に財産管理等の事務を委託し、将来的に自己の判断能力が低下した後は、公的監督の下で引き続き受任者に後見人として幅広く事務処理を行ってもらうものです。通常の委任契約を任意後見契約と同時に締結するものです。

③ 「即効型」任意後見契約
すでに判断能力の衰えがみられ、軽度の認知症等の状況にある方が対象となります。この場合は、契約後直ちに家庭裁判所に任意後見監督人の選任をしてもらって、すみやかに任意後見人の保護を受けることができるのです。

(5)任意後見人の職務
 任意後見人の主な職務としては、「財産管理」「身上監護」に分けられます。
    ① 財産管理
  • 不動産や重要な動産などの財産管理、保存、処分

  • 銀行や保険会社など金融機関との取引
  • 年金など定期的な収入の管理
  • 貸地や貸家の賃料収入の管理
  • 住宅ローンや家賃の支払いなど定期的な支出の管理

  • 保険や公共料金などの定期的な支出の管理
  • 日常的な生活費の送金や生活必需品などの購入、支払い
  • 権利証や通帳といった書類や実印の保管、各種行政上の申請手続

    ② 身上監護
  • 保険サービスや福祉サービス利用契約の締結や管理、要介護認定の手続、施設入所契約など、福祉サービス利用に関する諸手続

  • 医療サービス契約や入院に関する諸手続
    ③ 以下のようなことは任意後見人に依頼できませんので、注意が必要です。
  • 実際の介護行為
  • 重大な手術をすることについての同意
  • 病院への入院、介護施設への入所などの際の保証人の引受け
  • 延命治療の可否の決定(延命治療を望まない場合は、「尊厳死宣言書」を公正証書で作成することをお勧めします)

(6)任意後見契約を締結する際の注意点
    ① 契約締結に先立って、ご自身の老後をイメージし、老後の生活設計を立てておく必要があります。例えば、判断能力が衰えてきたときでも自宅で生活を続けたい、あるいは○○老人ホームへ入居したいとか、治療は○○病院を指定するなど、自分の希望する生活設計をはっきりと決めておくことです。

    ② 親族や知人に任意後見人を依頼する場合、その人物が信頼できることはもとより、下記の点もチェックしてください。

  • 任意後見制度について理解した上で引き受けてくれているか

  • 借金などがないか
  • 仕事がとても忙しかったり、ずっと地方勤務ということはないか
  • 住所がそれほど遠方ではないか
  • 報酬について話し合いができているか
(7)任意後見契約手続の流れ
弊所またはご本人宅でのご相談。
この段階でご本人の将来の生活設計のご要望や任意後見契約に関する費用、 利点・欠点などをお話しさせていただき、本当に任意後見契約が必要である のか、また、任意後見契約に付随して必要となり得る契約は何か、について 一緒にじっくりと検討させていただきます。
ご本人のご要望を基に、弊所が法的な問題を検討して任意後見契約書の原案を作成します。
作成した任意後見契約書の原案を公正証書にする必要があるため、弊所が公証人との打合せを行います。
ご本人と任意後見受任者が公証役場に出向き(行政書士が同行することも可能)、公正証書により任意後見契約を締結します。
東京法務局に任意後見の登記がなされます。
ご本人の判断能力が法定後見でいう補助レベル程度に低下した場合に、家庭裁判所に対して任意後見監督人選任の申立てを行います。
任意後見監督人が選任されると、任意後見人が契約で定められた職務を開始します。家庭裁判所は、任意後見監督人の報告を通じて間接的に任意後見人の仕事をチェックします。

任意後見契約の公正証書作成費用(公証人へ支払う費用)

公正証書作成の基本手数料 11,000円
登記嘱託手数料 1,400円
法務局に納付する印紙代 2,600円
正本・謄本の証書代 1枚250円(かなりの枚数になります)
登記嘱託書郵送用の郵券代 約570円
同時に、財産管理委託契約、死後事務委任契約を締結した場合には、原則として、これらの手数料(各11,000円)と証書代が加算されます。

任意後見契約関係の行政書士報酬

任意後見契約書作成 70,000円〜
財産管理委任契約書作成 60,000円〜
死後事務委任契約書作成 50,000円〜
相談料 1時間3,000円
報酬は、お客様の個別事情、業務の難易度等により変動する場合がございます。

着手金(報酬に充当)として、報酬の半額をお支払いいただき、業務完了後に報酬残金をいただいております。

着手金のご入金(銀行振込、現金払)をもって正式なご依頼とさせていただいております。
戸籍謄本等、必要書類の取得に要した実費は、別途申し受けます。
公正証書を作成する場合には、公証人手数料等が別途必要になります。

財産管理委任契約について

財産管理委任契約とは、財産管理に不安のある高齢者・障害者が、自分の信頼できる人と私的な委任契約を締結して、その人に財産管理を依頼することです。

  • 成年後見(法定後見・任意後見)は、精神上の障害により判断能力が欠けていたり不十分となったときに利用される制度ですから、判断能力が衰えていない高齢者や身体障害者はこの制度を利用できません。しかし、判断能力はあるものの身体が不自由な場合や、高齢のため高額で複雑な財産を管理するのが不安となった場合に利用されるのが、財産管理委任契約です。
  • 財産管理委任契約の内容は委任者が自由に決めることができます。また、財産管理委任契約は任意後見契約と異なり公正証書による必要はありませんが、財産管理委任契約と任意後見契約を一つの公正証書でまとめて契約するのが一般的です。

死後事務委任契約について

人が亡くなると、葬儀や遺品整理、役所への届出など様々な手続きが必要になります。このような死後事務を委任する契約が「死後事務委任契約」です。

  • 任意後見契約や財産管理委任契約は原則として本人の死亡によって終了しますし、これらの事項(死後事務)は遺言で定めることもできませんので、別に死後事務委任契約を締結しておく必要があるのです。
  • 死後事務委任契約書はどのような形式で作成しても構いませんが、自分の意思で作成したことを明らかにするために公正証書で作成するとよいでしょう。任意後見契約や財産管理委任契約とともに作成することをお勧めします。
  • 本来、葬儀は喪主が主催するものであり、遺品は相続財産を構成する財産です。相続人の意向に反する内容ではトラブルになる恐れがあるので、予め親族の了解を得ておくことが望ましいと言えます。