〈相続人が直系尊属のみである場合〉
被相続人の財産の3分の1
具体例:父母が相続人の場合
父の遺留分
法定相続分2分の1×3分の1=6分の1
母の遺留分
法定相続分2分の1×3分の1=6分の1
〈その他の場合〉
被相続人の財産の2分の1
具体例:配偶者と子A、Bが相続人の場合
配偶者の遺留分
法定相続分2分の1×2分の1=4分の1
子Aの遺留分
法定相続分4分の1×2分の1=8分の1
子Bの遺留分
法定相続分4分の1×2分の1=8分の1
遺留分額=(遺留分を算定するための財産の価額(注1))×(2分の1(注2))×(遺留分権利者の法定相続分)
(注1)遺留分を算定するための財産の価額=(相続時における被相続人の
積極財産の額)+(相続人に対する生前贈与の額(原則10年以内))
+(第三者に対する生前贈与の額(原則1年以内))-(被相続人の債務の額)
(注2)直系尊属のみが相続人である場合は3分の1
遺留分侵害額=(遺留分額)-(遺留分権利者が受けた遺贈又は特別受益の額(注1))-(遺留分権利者が相続によって得た積極財産の額(注2))+(遺留分権利者が相続によって負担する債務の額)
(注1)遺留分侵害額の計算上、遺留分権利者に対する特別受益の額は10年間という期間制限はありません。
(注2)遺産分割の対象財産がある場合(既に遺産分割が終了している場合も含む。)に、具体的相続分に応じて遺産を取得したものとした遺産の額です。なお、寄与分による修正は考慮しません 。
・ 遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈のあったことを知った時から1年間にこれを行使しないときは、時効によって消滅します。
・ 相続開始の時から10年を経過したときも同様です。
遺留分は、相続人保護のための制度であり、あくまで権利であって義務ではありませんから、これを行使するか否かは権利者の自由です。 したがって、遺留分を放棄することもできます。
もっとも、相続開始前に遺留分を放棄するには、家庭裁判所の許可が必要です。これは、被相続人等が不当な圧力をかけるのを防ぐためです。