積極的損害は、事故によって被害者が出費を余儀なくされる損害のことです。治療費、入院費、付添看護費、通院交通費、葬儀費用などです。
消極的損害は、不法行為(交通事故)がなければ得られたはずの利益(逸失利益)をいいます。死亡事故の場合、被害者が亡くなってしまっているため、その方が将来的に得るはずだったと考えられる利益の
全てが逸失利益となります。事故前の収入などを基礎とし、就労可能年数(67歳)までの収入をシミュレートして算出するのが一般的です。
上記、積極的損害と消極的損害については、通常、被害者に発生した損害であるから、その賠償を被害者の相続人が請求することができます。
被害者本人の慰謝料
死亡したこと自体の慰謝料です。死亡事故の場合、事故に遭った本人は既に亡くなっていますから、本人の慰謝料を遺族が相続して請求す
るという関係になります。
近親者の慰謝料
事故によって亡くなった方の配偶者や子は、親族が亡くなったことでショックを受け、悲しむことになりますから、それぞれ固有の慰謝料請求権を有しています。
このように死亡事故の場合、亡くなった被害者本人の慰謝料に加え、 近親者の慰謝料を合わせた額を請求することになります。