この遺言の撤回には、遺言者の撤回行為によるもの(明示の撤回)と、一定の事実があった場合は、遺言者の真意を問わず、撤回があったものとみなされるもの(撤回の擬制)があります。
ⅱ 撤回権の放棄
撤回権は放棄できません。したがって、遺言者が、受遺者と遺言を撤回しないという契約をしても、その契約は無効です。
例えば、第1遺言を第2遺言で撤回した場合に、第2遺言を第3遺言で撤回、つまり撤回行為をさらに撤回しても、第1遺言は復活しないのです。なぜなら、撤回した(または撤回が擬制された)遺言を復活させたいのであれば、別の遺言を改めて作るべきだからです。